医療事務の給与・年収は安い?手取りや給与を上げる方法をご紹介

『医療事務の給与・年収は安い?手取りや給与を上げる方法をご紹介』
あなたは医療機関を選ぶ時、何を重視していますか?病院や医師の評判、通院のしやすさ、あるいは設備や診療科の数・・・などなど。医療機関を選ぶ理由はそれぞれですよね。様々な選択肢がある中、「スタッフの感じがいいから」という理由で医療機関を選んでいる方も少なくないはず。
患者様が医療機関を訪れた際に、最初と最後に接するスタッフが医療事務。それだけに、医療事務は医療機関の印象を大きく左右する存在と言われています。医療事務は今や、医療機関の顔としてだけでなく、スムーズに治療や診察を行うためには、なくてはならないスタッフです。また病院経営をかげで支える重要な存在として活躍しているのをご存知ですか?患者様のみならず、医療機関にとっても必要不可欠な医療事務ですが、その給与事情はどうなっているのか、興味があるところ。そこで今回は、医療事務のお金事情にスポットを当ててみました。
【目次】
■ご存知ですか、“給与”と“給料”の違い
■医療事務の平均年収や給与はどのくらい?
■一般事務と医療事務、給与の差はどのくらい?
■医療事務の待遇・勤務形態は?
■医療事務が人気の理由とは?
■医療事務が女性に人気の理由は?
■医療事務、給与を上げる方法・ステップ
■医療事務の仕事内容
■医療事務になる方法とは?
■まとめ
ご存知ですか、“給与”と“給料”の違い
医療事務のお給料事情についてご説明する前に、求人票などをみると「月収」「月給」あるいは、「給与」「日給」など、様々なワードが表示されていますが、それぞれの表示の違いをご存知ですか?医療事務の給料事情を知る前に、まずは給料に関する基礎知識として、ここでそれぞれのワードの違いについて簡単にご説明しておきましょう。
まず、「給料」と表示されているものは、残業や諸手当を除いた基本給を意味しています。これに対して、「給与」は残業や交通費などの諸手当を含めた金額。その月に受け取る全ての金額です。「月収」も1ヶ月に受け取る金額ですが、「給与」と違うところは、諸手当にボーナスを加えた年収の12分の1の金額を示すものになっているんですよ。また、パートやアルバイトの求人には「日給制」「月給制」「日給月給制」などの表示があります。「日給制」は、1日決まった金額を出勤した日数分だけ支給される制度で、「月給制」は「日給」を月に1回まとめて支払うという制度。中には「日給月給制」というのもあり、これは基本的には「月給制」と同じで1ヶ月単位で支払われるものですが、欠勤した場合はその分の日給を差し引くという制度になっています。「給与」と「給料」など、表示の違いをしっかり理解しておくことも求人選びの際には大事な要素になります。
医療事務の平均年収や給与はどのくらい?
『平均年収.JP』によると、医療事務の平均年収は250~350万円となっており、これは日本の平均年収ラインキングでも残念ながら高い方とは言えない金額です。もちろんあくまでも平均なので、金額は勤務先の医療機関の規模やエリア、働き方、年齢などによっても異なります。そこで、ここでは働き方や勤務地域、勤務先、年齢などによる給与金額を比較してみました。
<働き方による違い>
■正社員
正社員として働く場合の平均年収は280万円(※ボーナスなどの手当を除く)。月収にすると15~23万円で、手取りは10~17万円程度。
■派遣社員
派遣の場合は、時給が主流となっており、平均時給は1,208円で、月収にすると10~20万円程度です。
■パート・アルバイト
パート・アルバイトの場合は、平均時給が900円と派遣よりもやや少なく、平均月収は20万円程度(※『平均年収.JP』より)。
ちなみに正社員の月給を時給換算すると、派遣の方が金額的に高くなるケースがありますが、派遣(パート・アルバイトも含む)の場合はボーナスや交通費が支給されないケースもあるので、金額だけを見て一概に高いと判断はできません。また、派遣やパート・アルバイトの場合、金額だけ見ると正社員よりも劣るものの、勤務地や勤務時間が選べたり、残業が少ないというメリットはあります。一方の正社員は、長期間勤務できることに加え、退職金があったり、有給休暇が取れるなど、それぞれの働き方によって様々なメリットがあります。
<勤務先による違い>
どの分野の仕事にも共通することですが、雇用形態だけでなく、勤務先の地域や規模によっても給与は大きく変わってきます。平均年収ランキング(『求人ボックス.com/医療事務の年収・時給』より)によると、年収が最も高い地域はやはり関東。中でも東京は、医療事務の給与の最高水準になっています。最も低い地域は沖縄県でした(※<エリア別年収・時給比較>参照)。
また、年収は勤務先によっても大きく異なります。勤務先で一番年収が高いのは大学病院、次いで総合病院、そしてクリニックや個人病院の順番。金額で見てみると、大学病院の平均年収は249万円、総合病院は230万円、クリニック・個人病院は201万円~となっています(『求人ボックス.com』より)。ちなみに、大学病院に勤務した場合の平均月収は17~20万円。時給に換算すると1,100~1,300円。クリニックの場合は、平均月収は16万円~で、時給に換算すると1,050円になります。医療事務の給与は、役職や立場によっても異なります。同じ正社員でも、主任クラスでは月収は17万円程度ですが、部長クラスになると30万円以上になるケースもあるんですよ。
<エリア別年収・時給比較>
地域 | 年収 | 時給アルバイト | 時給派遣 |
北海道・東北 | 241万円 | 858円 | 1,024円 |
関東 | 281万円 | 972円 | 1,219円 |
東海 | 270万円 | 913円 | 1,145円 |
甲信越・北陸 | 270万円 | 874円 | 1,050円 |
関西 | 265万円 | 921円 | 1,186円 |
中国 | 241万円 | 906円 | 1,027円 |
四国 | 237万円 | 850円 | 1,000円 |
九州・沖縄 | 231万円 | 844円 | 1,068円 |
※『平均年収.JP』より
<年齢による違い>
年齢別給与比較給与は働き方や勤務先だけでなく、年齢によっても異なります。ここでは年代ごとの年収・給与を比較してみました。
年齢 | 年収 | 給与 |
20~24 | 242,0~272,0 | 17,0 |
25~29 | 193,9~243,9 | 15,2 |
30~34 | 179,7~279,9 | 17,5 |
35~39 | 185,4~289,4 | 18,1 |
40~44 | 204,2~325,2 | 20,3 |
45~49 | 242,2~364,2 | 22,8 |
50~54 | 280,3~390,3 | 24,4 |
55~59 | 277,0~387,0 | 24,2 |
60~65 | 163,4~387,0 | 16,5 |
※ 単位 万円
※『平均年収.JP』より
一般事務と医療事務、給与の差はどのくらい?
医療事務と一般事務の違いについては、前回のコラムでもご紹介しましたが、大きな違いは勤務先です。医療事務は医療機関に限られていますが、一般事務は官公庁や一般企業、各種団体など幅広い分野が活躍の場になります。どちらも資格や経験がなくても仕事を始めることができるという共通点がありますが、現場で求められる能力には大きな違いがあります。医療機関に勤務する医療事務の場合は、医療の専門的な知識を必要とする業務内容に加え、患者様や医師・看護師と接する機会も多いため、接客業的な側面も持っており、コミュニケーション能力も必要。一方の一般事務は、人と接する機会は少なく、また仕事の内容もデスクワーク中心となるため、コミュニケーション能力よりもパソコンや事務処理能力などが重視されます。また、勤務先や業務内容と同じように、一般事務と医療事務とでは給与にも違いがあります。医療事務の給与事情は前段でご紹介したので、ここでは一般事務の給与事情をご紹介しましょう。
一般事務の場合も、医療事務同様、勤務先の規模や地域、働き方などによって給与や年収は変わってきますが、平均的な年収は250~350万円(※『Career Garden』より)と、医療事務よりはやや高め。さらに、事務業務のため、残業も少なく、プライベート重視の働き方ができるのが大きなメリット。しかも資格や経験が必要ないことから、人気も高く、求人に対する競争率が高いのも特徴です。ただし、業務内容は同じことの繰り返しが多く、また、周りの人から感謝されることも医療事務ほど多くないこと、医療事務のように常に誰かの役に立っていると実感できる仕事ではないことなどから、やりがいの点では医療事務の方が大きいと言えるでしょう。
医療事務の待遇・勤務形態は?
医療事務は病院などの医療機関が勤務先となりますが、医療機関によって待遇は異なります。産休や育児休暇の取得については、雇用形態によっても変わってくるでしょう。求人情報には、有給休暇や年間休日数が記載されていますので、あらかじめ確認することが可能です。
また、健康保険や社会保険などの保障も、雇用形態によります。パートや派遣といった非正規雇用の場合は、勤務先の規定によって保障がない場合もあります。しかし、正規雇用の場合は法律によって定められているため、多くのの場合は保証があるでしょう。
医療事務の勤務形態としては、365日稼働している医療機関であればシフト制になりますし、病院の休診日に合わせた勤務体制の場合もあります。医療機関によって異なってくるでしょう。医療事務でも総合病院などでは夜勤がある場合もありますから、事前にしっかり確認することが大切です。
医療事務が人気の理由とは?
理由①年齢問わず就職が可能
医療事務の仕事は、幅広い年齢層が働くことができます。これまで培ってきた専門的な知識や経験を活かして働ける人は、医療関係の職場で重宝されるため年齢で制限されません。また、医療事務資格をもっているとブランクがあっても再就職がしやすく、結婚や出産後も働きやすくなるため人気があります。
理由②求人数が多く安定している
医療関係の仕事は景気に左右されることがなく、需要がなくなることはないため、安定して働くことができます。とくに超高齢化社会といわれる日本は、今後高齢者が増え続けることが予想されており、高齢になると病院を利用する機会も増えます。患者さんが増えることは必然となるため、医療関係の仕事は将来性があり、ますます医療事務は需要が高まるでしょう。
また、病院などの医療機関は全国各地に数多く存在しているため、求人数も多くあります。そのため、自分の働きたい職場を見つけやすいのも人気の理由です。
理由③やりがいを感じながら働くことができる
病院やクリニックで働く医療事務の仕事は、患者さんと接する機会が多くあります。医療事務の業務である受付や会計業務、入退院の手続き、病院の案内など、様々な場面で患者さんと接します。その際に、患者さんから直接感謝の言葉を伝えられることも少なくありません。大きな喜びになりますし、モチベーションアップにもつながるでしょう。
また病院やクリニックは、地元の人が多く利用します。そこで働くことで地域に貢献することにもつながるでしょう。
このように、医療事務の仕事はやりがいを感じながら働くことができ、人の役に立ちたいと考える人にも人気があります。
理由④無資格・未経験でも働きやすい
医療事務の仕事は、無資格・未経験でも働ける点も、大きな魅力といえるでしょう。医療関係の仕事は将来性もあり安定していますし、給与や待遇もよく魅力的ですが、医療現場で働くためには、看護師や検査技師など、資格が必要な職業がほとんどです。
しかし、医療事務は経験や資格がなくても働くことができるため、だれでも挑戦することができます。そのため、今よりやりがいのある仕事がしたいと考えている人も転職しやすく人気があるのです。
医療事務が女性に人気の理由は?
理由①日本全国、どこでも就職先が見つかる
医療事務の仕事は、勤務先によって多少の違いはありますが、基本的な業務内容は同じです。そのため、経験があれば全国どこにいっても、即戦力として働くことが可能です。
ライフステージや家庭の都合に合わせて勤務地を変えなくてはならないことがあります。そういったときも、医療事務の経験があると知らない土地でも就職しやすいでしょう。
理由②雇用形態を選びやすい
医療事務の仕事は、正社員としての働き方だけでなく、パートタイムや派遣社員として働くことが可能です。
子育てや介護中のように、フルタイムで働くのが難しい時期は、派遣やパートとして短時間だけの仕事の方が都合がよいでしょう。そういったライフスタイルに合わせた働き方ができることから、医療事務の仕事は人気があります。
理由③学歴に関係なく働くことができる
医療事務の求人では、学歴を問われないものが多くあります。医療事務の仕事は、患者さんに寄り添った接客ができる人や、状況を判断して働ける臨機応変さとスピーディーさのある人が求められます。
医療機関では、医療事務として即戦力となる人材を求める場合、学力よりもそういった対応力が重要視されます。
医療事務、給与を上げる方法・ステップ
他の職種に比べてもやりがいの大きさでは負けていない医療事務の仕事ですが、給与面では一般事務よりも低いなど、就職・転職を考えている方にとってはちょっとマイナスに感じてしまうこともあるでしょう。でもご安心ください。医療事務にも、給与アップを目指す道はもちろん用意されています!ここでは、給与アップへの3つの道をご紹介しましょう。
◼️給与アップへの道・その1 キャリアアップをめざす!
未経験で仕事に就くことができる医療事務ですが、給与は役職や立場が異なることによってアップします。そのため、キャリアを積むのも一つの手。経験を積むことで昇進し、役職に就いたり、リーダーや主任として認められれば、仕事の幅が広がったり、責任ある仕事を任されるため、当然給与もアップします。
◼️給与アップへの道その・2 スキルアップをめざす!
医療事務として仕事をしていく上で必須資格はありませんが、資格を持っていると「資格手当」が付くこともあります。『医療事務』を始め、さらにレベルアップした資格、『診療情報請求事務能力検定』や『診療情報管理士』といった医療事務の能力の高さを証明する資格はもちろん、事務としての能力の高さを証明する『パソコン検定』、『電卓検定』といった資格を取得するのも、給与アップにつながります。
◼️給与アップへの道・その3 思い切って転職する!
転職するのは給与アップへの一番の近道。未経験者よりも経験者の方がより条件のいいところに就職ができますから、キャリアを活かして給与や時給の高い医療機関に転職するのも給与アップへの道になります。
医療事務の仕事内容
医療事務は、病院やクリニックなどの医療機関における事務職です。主な仕事内容には受付業務、会計業務、レセプト業務などがあります。また、医師や看護師をサポートするため、カルテ作成や書類整理、電話対応などの業務も多くあります。
医療事務になる方法とは?
医療事務の求人には、無資格・未経験でも応募可能なものが多くあります。しかし、医療事務は人気のある職業ですから、資格をもっている方が就職に有利です。医療事務の資格は複数あります。その一つが「医療事務検定試験」です。
医療事務検定試験は、医療事務で働くために必要な基礎知識やレセプト作成を基本とした認定資格です。この資格を取得することによって、医療事務に関する基礎知識が身についていることが認定されます。
まとめ
ここでは、医療事務について詳しくご紹介してきました。医療事務の仕事は、経験や資格がなくても働くことができるため挑戦しやすい仕事です。一度経験を積むことで全国どこでも働くことができますし、ブランクがあっても働くことができます。
医療事務の仕事は人気のある仕事です。未経験でも就職に有利になるためには、資格を取得することがおすすめです。医療事務の仕事にご興味がある方はぜひ参考にしてみてください。
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